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年越し蕎麦

今年も結局、仕事は片付かず、大掃除もままならない。
自分なりには一生懸命掃除してるつもりで捨ててるはづなんだけど、一向に減った気がしないのはなんでだろ。
となると諦めが肝心ってことですっぱり投げてしまう。掃除を諦めたら、次は年賀状。大晦日に書くんじゃ元日到着は無理だろってわかってはいるけど、書かないわけにはいかない。取り敢えず、お世話になった人の分だけは認めておく。これでよし。時計を見るともう随分といい時間だ。けど、年賀メールがまだできてない。夜中はひたすら送信に集中したいから今のうちに作っておこうと取り掛かる。時間はどんどん過ぎていく。
年賀メールが出来上がった頃にはすっかり日も暮れている。こりゃ急がないと年越し蕎麦が食えないな。ってことで、チャッチャッと身支度を済ませ、さて、今年はどこで食べようと考える。
上野の「蓮玉庵」か はたまた「翁庵」か …早稲田の「亀鶴庵」も行ってみたいな。って考えながら北風の吹く街中に繰り出す。もうすっかりいい時間を越して、急がないとマズい時間? って状況だ。こうなると仕方ない「エイ、ヤ!」で上野に出てしまえ。あとはどうにでもなろうとイチバチの行き当たりばったり。
上野に着くと一目散に「連玉庵」に向かう。普段なら、ここが候補地のなかで一番早く閉めてしまう(行ってから知ったが、大晦日に限り夜10時まで営業)。大晦日の上、アメ横も近いだけあって上野は人で溢れていて、年も押し迫っているのがよくわかる。
仲町通りを入って少しいくと「蓮玉庵」の看板に明かりが灯っている。「しめたっ!」て思ったね。「これでなんとか年越し蕎麦にありつける」ってね。この時、完全に頭からは同じ通りにある「薮」は頭んなかからすっぽり抜けていた。というか最初っから「薮」は考えてなかったってのもある。
だからといって「薮」が駄目っていうわけじゃない。「薮」は「薮」で十分美味しいんだけど、上野で食べるとなるとどうしても地の利から「連玉庵」に足が向く。なにせ目の前は中央通りだし、その先は上中やらアメ横だ。こうなるとやっぱ地の利は「連玉庵」にあるわけよ。
暖簾を潜り、ドアを開けると驚いた。普段なら、ちょいと時間をずらせばゆったりと過ごすことができる「蓮玉庵」も今日ばかりは満員御礼。こっちは一人なもんで気楽に相席にしてもらい、酒と「おかめそば」を頼む。細く長くよりも、「来年もいいことあるように」って福女おかめさんに願掛けする意味込めてだ。
混んでるなか、席に座ればこっちのもの。味噌で酒をちびりちびりとやりながら、七味もたっぷり振った「おかめそば」をハフハフしながら啜る。ほうれん草、椎茸、蒲鉾、玉子に麩、一切れの柚子の皮。おかめそばは具沢山なのがよい。酒と温かい蕎麦で身体が温まり、さらに七味で発汗作用を促進する。酒も終わり、ツユも全部飲んだ頃にはすっかり身体は温まっている。そこに〆めの蕎麦湯を店員が持ってきたんで、碗を洗うようにして飲み干すと「ああ、今年も無事1年が過ごせました」って素直な気持ちになる。
店は依然として混んでいる。待っている客が外にもいるようだ。一人客があんまり長居しちゃ悪いから「ごちそうさま」って言って店を出ようとすると、女の店員が「来年も宜しくお願いします」の声。
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↑池之端「蓮玉庵」。同じ通りの湯島側には「薮」がある。
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↑蓮玉庵の「おかめそば」
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それでは「春夏冬、二升五合」をお願いまして、皆々様の御手を拝借。

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熊さん。今のお人で何人目だい?
著者寸描(プロフィル)

浮世名詮〔うきよのめうせん〕

Author:浮世名詮〔うきよのめうせん〕
東西東西~。
さて、これより語りまする者はその名を「名詮」と申しまする。

性格は可成ふざけて居りまして、朝イチから行動すればよいものを、昼も過ぎ、夕闇の濃くなる頃から東都のあちらこちらへ出没し、状況に応じて色々な人物を演じ分ける素ッ惚けた根無し草。

まあ、気楽に気楽にお付き合い下りまするよう、隅から隅まで、ズズいっとお頼み申し上げまする。

先づは

乍憚口上
乍憚口上」つづき
乍憚口上」むすび

を一読下さりまするようお願い申し上げまする。

千穐萬歳大入叶

熊八ブログをケータイしておくれっ
ちょいと、そこのお前さん。無視していくんじゃないよ。めうせんの「熊八ブログ」がケータイでも見ることが出来るっていうじゃあないか。おや、知らない?まあ、この人はなんて野暮なことをいいなさんのかねえ。
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「文は遣りたし、書く手は持たず」なんて謙遜、遠慮なぞは無用ってもんでございやす。へい。

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