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西陣「萬亀楼」

現在、土地の人でもない限り

西陣

というと着物ばかりがイメージされる。探せばそれなりに名所・旧跡もあるにはあるが、矢張り「探せば…」といった感じだ。観光地京都としてのイメージはほかの地区・地域に委ねるしかない。
西陣という地名はいうまでもなく、

応仁の乱

がことの起こりで、西軍の大将・山名宗全がこの辺りに本陣を構えたことから付けられた。
戦火が拡大するにつれて、今の京都御所や仙洞御所のところに内裏が遷される。内裏の東遷によって次第に中心部が東へ東へと移っていき、応仁の乱以降戦国期にかけて、すっかり荒廃して寂しい一帯になってしまったそうだ。
堀川通りを走る市バスを下り、有名な観光スポットの一条戻り橋辺りから西陣にかけて歩いてみると、今のイメージでは「通り」とは凡そ呼べないほど狭い。車一台がやっと通れる幅だ。それでもひとつひとつの通りがちゃあんと「通り」として成立している。が、よくよく考えれば往時は人の行き来だけだから、これで十分に通用したわけだ。

そんな町家ばかりが犇きあって、観光客なんかは殆ど歩かないだろう一画に「萬亀楼」はある。
料亭といったところは余程に敷居の高いところは別にして、昨今では前以って電話で予約を一本入れればなんていうことはない。あとは指定した時間に伺えば、万端整えて迎え入れて貰える。その証拠と呼べるかは知らないが、「萬亀楼」ほどの店ともなれば予約した時間の少し前には玄関先を掃き清め、打ち水をして、

いつでもどうぞ

という状態にしてある。
しつらいもいわずもがなというもので、実にさっばりとしていてよい。庭の緑もその都度、適度に水が撒かれ、水に濡れて瑞々しい。目に爽やかだ。
後手に回ったが、大女将の話によれば「萬亀楼」はもと

萬屋(「よろづや」。土地の人は「まんや」と呼び親しんだ)

という造り酒屋で、邸内には良質の水が湧く井戸が七つもあったそうだ。今は二つばかり残っているが、二条城近くに地下鉄が走ってからというもの、水質に異変を来たしたらしく、残ったばかりでとても使える代物ぢゃあないそうだ。実に残念だ。
さて、離れに通されて、目に爽やかな庭の木々の緑を眺めつつ、静かに、たっぷり2時間かけて味わう京料理はどれも格別だ。が野暮な話をすれば料金は決して安くはない。かといって、もてなすための手間隙を考えたら、格別に高いとも思わない。兎に角、一度足を運べばわかるはづだ。それでも高いと感じるならば、昼限定の「萬亀楼」が名物「竹籠弁当」にすればよい。ここの料理のエッセンスがとてもシンプルに、それでいてお洒落に収まっていて手軽に楽しめる。
伺った頃合が丁度季節の端境期だけあって、夏の名残と秋の便りが一緒くた。だけど、双方喧嘩することなくうまく調和されていたのは実に心地よい。そして意外と味付けがはっきりしていることに気づく。東京は川の手地域に暮らす者にとって、

京都は薄味

のイメージを払拭させられた感じだ。
これ以上、「萬亀楼」について語る必要はないだろう。あとは自分の目と舌で存分に楽しめばよい。

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祇園「盛京亭」

一年半振りの京都旅行。珍しく慌しさが少しくあった。
いつもの京都旅行なら昼頃のんびりまったりと祇園辺りをブラブラして、気に入った店で美味いものでも食べて気分転換をはかるんだけど、今回はどうしても外せない目的がひとつだけあった。

叡山

だ。またもや山だ。今年はGWの秋葉山に始まって、近くは八溝山にも登っている。そして叡山。けど、別に山登りにハマっているわけぢゃあない。叡山に登るのは三大道場のひとつ

横川

へ、それは大事な大事な有り難いお札を頒けて貰うためだ。しかし、叡山に登るということはどうしても一日がかりになってしまう。その一日を二泊三日のうち、どこに当てるかと考えた時、初日が一番体力があろうという結論に達したわけよ。そのため、今回は信じられないくらい朝早く家を出た。9時前の新幹線に飛び乗った。
で、午前11時。無事、京都到着。しかし、清澄氏同道の旅はここからがいけない。叡山に登るとお互いいい聞かせているにも拘わらず、腹拵えをしに

まづ、祇園へ行こう

となる。何も京都へ着いて早々、祇園もあるまいに、という発想は全くない。
そこで定宿にしている河原町三条のホテルへ荷物を預け、祇園へ繰り出す。その道すがら三条から四条にかけて河原町を歩いていて驚いたことは、町が大きく様変わっりしていたことだ。特にコーヒーショップが増えた。イノダや上島を席巻するようにスタバやエクセル、タリコーといった新参者を町のあちこちで目にするようになった。

京都も変わったねえ

と同道の清澄氏と話し乍ら、四条大橋を渡り、祇園へ入る。相変わらず、

人、人、人…

で凄い。が、

京都へ来たんだなあ

とも思う。

祇園へ行くこと

が僕にとって、京都入りを実感するっていうのもいかがなものかとも思わなくもないが、まあ、大目に見て貰おう。
話を新幹線の車中に戻すが、腹拵えは「ぶゞ家」か「盛京亭」と決めていた。特に「盛京亭」が気になっていた。ただ、場所が今イチよくわからない。そこで取り敢えず八坂神社に向かって歩く。すると、「鍵善」の直ぐ手前に差し掛かった頃、清澄氏が

あ、あった

と発見。
なんと京都名物の露地の奥に目指す「盛京亭」はあった。その露地は四条通りに面してはいるものの、ハッキリいって、フツーにガイドブックを持って歩いている観光客だったらまづ気づかない。
早速、露地を入っていく。「盛京亭」はそこにひっそりとあった。奥に通され、メニューを見乍ら開口一番は

瓶ビール一本

これから叡山に登るというのに、いきなしビールから始まる京都旅行。が、勢いって大事だよ。勢い…しかも京都は9月に入っても暑いしね。と意味不明な言い訳をしておこう。

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一筆啓上

明日11日より13日まで、まづは二泊三日のつもりで京都に行く。
色々忙しくて、京都へ行くのは二年振りくらいだ。久々に羽を伸ばそう。
同道はこれまた清澄氏。またもや珍道中になりそうな予感。
…おっと、一筆啓上ぢゃなくなってしまうから、この辺で。

祗園縄手「とり新」夜の部(回想)

毎年、世間が盆休みの時には仕事をし、ひと足遅らせて夏休みを取るようにしている。そうすることで実にのんびりとでき、気分は頗るリフレできる。そして、その休みを利用して京都に行き、日がな一日のんびりとしているのが好きだ。今日もJR駅構内で例の東海のポスターをちらりと見たが、見るたびにポスターのコピー通り、

そうだ、京都へ行こう

という気になるんだけど、今回は時間も懐事情も厳しいので断念せざるを得ないようだ。しかし、近場ならなんとかなるだろうと思い、久し振りに近代日本最初の避暑地の

日光

へ行こうと計画しているところだ。
さて、帰路の途中、地元駅前の呑み処で焼き鳥を片手に軽く一杯引っ掛けてて、ふと「とり新」を思い出した。
京都は祗園の裏手で営業している「とり新」については以前にも述べたことがある。昼はよい親子丼を食べさせて貰える店だ。ここは夜になると顔を変え、焼き鳥屋になる。
今年の春先、清澄氏との京都旅行では着いたその足で真っ直ぐに「とり新」に向かい、親子丼を食べ、そのまま夜もまた「とり新」にお邪魔した。だから、若旦那には、

昼間はどうも

と挨拶されてしまった。
夜の「とり新」は若旦那のお姉さんが切り盛りしている。なかなかに気さくな京女で快濶に笑う人だ。
「とり新」は昼の親子丼もよいが、夜の焼き鳥も実によい。流石は表店が鳥屋を営んでいるだけはある。素材がよいわけだ。ビールや酒を呑みながら1本ずつ好きなものを焼いて貰うのもよいが、ここの味を知るには「白川コース」が手軽でよい。ひと通りの味が楽しめる上に〆のご飯がよく、昼の親子丼に対して鶏のつくねを玉子で閉じた「まご丼」がなかなかにユニークでよい。勿論、味はいうまでもない。それに軽く湯通しした笹身を厚めに切り分け、鶏のスープで頂く「とり茶漬け」も七味をパララっと振り掛けて一気に掻き込めば、もう堪らない。
そういえば、この時の「とり新」にはなかなかに面白い先客がいたなあ。氏素性の一切を知らないが、所謂ギョーカイに近いところの仕事に携わっていたように思う。この三十半ばと見える客も僕同様に

京都へ来た折には「とり新」に寄って一杯呑む

のだそうだ。余程に楽しい時間だったのだろう。宜しく酩酊していて饒舌になり、女主と交わしていた会話を横で聞いていて面白かった。というより、僕や清澄氏をも巻き込んで語らった内容が

「鉄漿」はどうやってつけるのか

だ。鉄漿とはいうまでもなく、鉄粉を酢などで酸化させた溶液をつくり、歯に塗るアレだ。
それを持てる限りの想像力を逞しくして勝手に塗り方など考案し、色々を語ってくれたのが面白かった。それ以上のことは上手くいえない。ただ、

なるほどなあ
人というものは色々と考えるものだ

と変に感心していた。しかし、この客とは恐らく再び会うことはまづないだろう。まさに

一期一会

の客だ。だからこそ、余計に面白いわけよ。
その後も鉄漿から話は舞妓・芸妓、女性雑誌の出版部数、芸能人のことと色々な方面に展開していったが、話それ自体も肴になり、ビールが瞬く間に2本ほど空いた。この日は久し振りに「格別に」旨い酒になったと記憶している。

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八坂神社石段下・ぎをん川勝出店「ぶゞ家」(回想)

京都にあっては先方で「お茶漬け」が出されると、暗に「帰って欲しい」という意味だとする有名な都市伝説がある。都市伝説のため、その真相のほどは知る由もないが、これはひとつに物事をハッキリと言わず、相手任せにした都びとの性格を「お茶漬け」に仮託したものだろう。
その茶漬けをいざ食べようとするとなかなかに値の張るものだ。だから、口の悪い友人などには

なにも茶漬けごときに高い金を払うこともあるめえ

と言われるが、それでも食べたくなるのが京都の茶漬けなのかもしれない。
都市伝説になるほど京都にあって名物?の茶漬けを食べようとする時、決まって行くのは祗園社前にある漬物店「ぎをん川勝」の出店「ぶゞ家」だ。というか、この店しか知らない。探せばもっとあるのかも知れないが態々探そうとは思わない。旅先でそこまでする必要もないからだ。初めて入った店の感じが自分好みであれば次からもそこに通い続けるのがよいのだ。そうすれば馴染みにもなれるしね。
尤もこの店はおっしょさんに連れて行って貰ったのが最初だ。おっしょさんは仕事、僕は遊びでほぼ同日に京都へ行くことになった時、おっしょさんが、

お前にあそこ(「ぶゞ家」)のうなぎ茶漬けを食べさせてやりたいなあ

という一言から始まった。そのおっしょさんも昔、誰かに連れてきて貰ってこの店を知ったらしい。
以前の「ぶゝ家」は「ぎをん川勝」の並びにあったが、現在は漬物店を拡大改装して店内の一画に仕切ってそれはある。店舗は意外と広く仕切られているため、ゆったりとした空間になっている。ただ古の都にあって微妙に当世流行の古民芸調の雰囲気を漂わせるのは、自ら野暮へと貶めているようでいて、そのセンスのズレ方にちょいと如何なものかとは思う。
まあ、それはよいとして、この店はなんといっても「うなぎ茶漬け」がよい。山椒の香りを強めに効かせた鰻の佃煮を熱々のご飯に二切れ三切れと乗せ、ほうじ茶を掛けまわしたのをすすすっと啜ると思わず、ふふふとニヤけてしまう。清澄氏などはただ黙々と食べている。その合間に、ふと、

旨い物を食べている時は自然と話さなくなるなあ
食べるほうに集中してしまう

と言葉を漏らした。この言葉は実に的を射ているね。二人とも大して会話を交わすこともなく只管に茶漬けを啜り、漬物を齧る。それを繰り返すうちにお櫃にたんとあった温飯が見る見る減る。佃煮、漬物、ご飯のいづれもすっかり平らげ、ほうじ茶で飯碗を洗うようにして飲み終えれば、満腹と満足を合わせた一息が「ふぅ」と出た。
しかし、この「うなぎ茶漬け」はよい意味で私恨のある一品だ。初めておっしょさんに連れられて行った時は開店一番乗りだというに鰾膠もなく、

今日は売り切れました

という。一番乗りで入ったのにだ。それでも「ない」といわれては仕方がない。シンプルに漬物だけの茶漬けにした。
その次は仕事と称して半分以上遊びで京都へ行った時、今度は店自体がそこにない。

おや?

と思って隣の「川勝」で聞いてみると、改装中ということでまたしても食べられなかった。そして、三度目の正直で清澄氏と訪れて、やっと念願叶って対面と相成ったのだ。
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↑祗園社石段下「ぶゞ家」の外観
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↑ぶゞ家の「うなぎ茶漬け」 三度目の正直でありつけた待望の一品

冬の京都・旅日記第四日目

第四日目・三月三日(土)曇り、日中暖かし
河原町三条宿・一日バス券 500円
阪急四条駅地下・ロッカー代 200円 200円清
祗園原了郭・八角竹入黒七味 840円
黒七味詰替え袋二個 734円
黒七味豆袋 525円
同川勝・漬物二個 700円
ちりめん山椒 735円
知恩院門前コロッケ屋・かにクリームコロッケ 110円
粟田口白川沿い古川商店街八百屋・たこ焼き 150円 150円清
粟田口尊勝院・庚申札 500円
みくじ 100円
さいせん 10円
堺町二条上るキンシ正宗・町家麦酒 630円
スパイシーポテト 315円
酒カステラ 315円
寺町革堂 さいせん 10円
線香 30円
松原通六波羅蜜寺・さいせん 10円
宝物館 300円清
清水寺・出世大黒像 900円
ミニ出世大黒像二個 700円
清水寺参道西尾八ツ橋・おたべ三個 1500円
松原通力餅食堂・衣笠丼 670円
京都駅前コンビニ・ジュース 147円
ストロベリーパイ 100円
京都駅構内・ペットボトル 190円
竹ノ塚駅よりタクシー代 900円
無事帰宅、夜11時なり

南禅寺門前「無隣菴」

瓢亭からの戻り道、隣の無隣菴に寄る。
無隣菴は山県有朋の別荘で、明治の京都を代表する造園師・七代目植治こと小川治兵衛に指示して作らせた回遊式の庭園が広がっている。また、庭園の隅には新家孝正が手掛けた洋館もある。
今年の京都は例年と比べても格段に暖かく、雪も二度しか降ってないという。明らかに温暖化の影響だろう。その冬の柔らかい日差しの下をのんびりと歩く。どうやら僕は回遊式庭園が性に合っているようだ。己の心と向かい合う枯山水系の庭も勿論、悪くはないが、やっぱり落ち着かない。ただじっと見てるだけっていうのが次第に飽きを呼ぶね。それだけ、まだまだ俗人だということだ。
大変手入れの行き届いた庭内はのんびりと眺めていても、歩いていても気持ちがよい。況してや、その前に隣の瓢亭でよい心持ちになっているから、余計に無隣菴の眺めも気持ちよく映る。それに季節も外れているせいか、ほかに客もこない。またしても独占状態だ。
そこを母屋からはじめて、ぐるりとひと巡りすると、洋館にたどり着く。見た目は経年の汚れから決して奇麗なもんじゃあない。それにこの庭園にはなんかしっくりと来ない気もするが、庭の隅にあまり目立たない感じに建ててあるから、まあ、いい。取り敢えず、中に入ると外観同様、コンパクトにまとまった洋館だ。日本人は大作りなもの輸入してきて、それをコンパクト化することに関しちゃあ、実に優れてるよ。けど、単にコンパクト化するだけじゃあなくて、矢張り意匠を凝らすことは忘れてない。
その洋館の二階で日露戦争開戦直前に山県有朋をはじめ、伊藤博文、桂太郎および小村寿太郎といった錚々たるメンバーが外交方針を決めたという。現在もその時のディスプレがそのままの形で公開されている。
だが、正直なところ、日露戦争の直前にそんな会議があったなんて全く知らなかったから、思わず、同道の清澄氏に

無隣菴会議って有名なの? 僕、知らないんだけど・・・

と聞いてしまったくらいだ。
それで今、手元にある辞典を引いてみたけど、よいのか悪いのか、そのような項目は、ない。
さて、4人が膝を交えて話し合った一室は狩野派の障壁画も素晴らしいが、天井も見ものだ。格天井のひと枠ごとに立派な装飾が施されている。しかも、装飾部の周囲は漆が施されていると見え、贅は凝らしていてるが嫌味な派手さはなく、室内の雰囲気とよく調和している。
洋館を出て、母屋に戻ると既に緋毛氈の前に茶菓子が用意されていた。無隣菴は拝観料と一緒におうす代を払えば、母屋で一服いただける。庭もひと回りしたことだしってことで早速、おうすを頂く。茶菓子は「真盛豆」だ。真盛豆とは、北野の西方尼寺の尼僧が真盛上人から伝授された菓子で秀吉の北野大茶会でも供され、同席した細川幽斎はこれを「苔むす豆」といったらしい。
その真盛豆の中身は煎った丹波の黒豆に黄粉を何度もかけて、さらにその上に青海苔を振ったもので、確かに見た目は苔むしてる感じがする。それで庭を眺めながらおうすを頂いてると、日頃の喧騒などすっかり忘れてしまう。実によい心持ちだ。
おうすを頂いて母屋の縁側で庭を眺めながら日向ぼっこしていたら、時計はもう12時を指そうという。瓢亭といい無隣菴といい、時間を贅沢に使わせてもらえる。
そこで、心は決まった。清澄氏もどうやら僕と考えは同じようだ。

もう一日、延泊しよう

と縁側で日向ぼっこしながら、二人とも徐にケータイを取り出し、今日のホテル予約をしようとネット検索する。それで結局、今朝引き払ったばかりの宿にまた申し込んだ。荷物はクロークに預けたままだ。

どの面提げて、戻ろうかね

といいながらも、まだ縁側での日向ぼっこが止められない。
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↑無隣菴の回遊式庭園の風景
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↑ここで日露戦争直前に外交方針を決めたそうだ
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↑無隣菴会議が行われた部屋の格天井
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↑母屋で「真盛豆」と一緒におうすを一服

南禅寺畔「瓢亭」別館

朝9時30分、宿を引き払う。南禅寺門前の「瓢亭」へ朝がゆを食べに行くため、取り敢えず、荷物をクロークで預かってもらう。
瓢亭には初日の夕方に「今日(3/2)の10時」で清澄氏と僕の二人分の予約を入れておいた。老舗料亭といえど予約さえすればなんの問題はないし、予約に鯱張る必要などない。

それでは別館で10時にお待ちしております。

これで予約は完了。実に簡単なことだ。あとは時間に合わせて行けばよいのだ。
瓢亭は山県有朋の無隣菴の真隣にある。本館は数奇屋造りの渋い佇まいで、ちょんまげをした旅人が軒先の床几で草鞋を脱いでいそうな感じの雰囲気が十分に漂っている。料亭としての瓢亭は天保頃からだという。その隣に設けられているのが瓢亭別館で、本館で出す名物の「朝がゆ」を手頃な価格で楽しめる。
そこへ僕と清澄氏が殆ど手ぶらのラフな格好でひょいと暖簾を潜る。
仲居に案内されて奥に行くと着物を召したご婦人たちが4人ほどで食後のお茶を楽しんでいたところだ。あとは誰もいない。
まあ、夏や休日ならまだしも、冬の平日で朝10時、しかも価格だけをみれば、あまり安いとはいえない「朝がゆ」を予約してまで食べに来る人はあまり多くはないだろう。大体、リーマンは勤務時間中だしね。
庭に面した席に着くと仲居がやってきて

何かお召し上がりになりますか

と聞いてくる。そこで、清澄氏に

どうする?

と聞くと首を傾げる。仲居は

お酒かビールをご用意できますが

と続けてくる。
昨晩も居酒屋で呑んでた上に、朝の10時からまた酒を入れるのは、いくら身体を温めるためのものとはいえ、流石にどうかと思って遠慮する。第一、まだ朝飯すらも食べてないわけだ。その朝がゆより先に酒を入れるのは可成りの贅沢で、きっと最高に気持ちのよい酒になること請け合いだろう。けれども、まだ今日も始まったばかりだということで、ここは敢えて止した。
しかし、まあ、仲居からすれば僕と清澄氏はどんな客に見ただろう。ちょいと粋な旦那衆にでも見てくれたかな。

ちょいと若旦那…さささ、おひつどうぞ

いけねえなあ。まだ、お天道様が高えとこにあるぜ

まあ、いけずなことをいう若旦那…
きっと昨夜は祗園のあたりでよい夢でもみてたのでしょう…
だから、そんなこといって…この憎たらしい

痛えよ。お前、そんなに強く抓ったらいけねえぜ。
ここへは酔い覚ましで来ているんだから、止してくれよ

いや、いやいや…でもそんな若旦那のことが

と仲居相手に「湯屋番」もどきな誇大妄想はこれくらいにして、話を進めよう。
仲居が奥に引っ込むと、すぐに料理が運ばれてきた。いつも変わらない瓢亭の朝がゆ。懐石ではないが、まづは八寸と瓢箪型の三重。八寸には品川弥次郎が「一子相伝半熟鶏卵」と評した瓢亭名物のゆで卵がある。これが堪らなくよい。流石は名物としているだけはあるね。
瓢亭の出す朝がゆは全てがシンプルだ。しかし、そのシンプルさのなかに、矢張り客への気遣いが感じられる。予約した時間にちゃあんとに出せるよう準備が行き届いているから、熱いものは熱いうちに出てくるわけよ。だから、客も熱いうちに頂かなきゃ駄目だよ。遠慮なんかしてちゃ駄目だ。折角、作るほうが時間を見計らって、ベストな状態で供してくれてるんだから、客側もダラダラとくっちゃべって冷ますようなことをしちゃ、どうしようもないよ。まるで台無しってもんよ。特に白味噌仕立ての汁碗のやさしい温かさはなんとも堪えられない。ズズズッと啜ると朝からよい心持ちになるね。
最後に名物の「朝がゆ」が運ばれてくる。
ここの朝がゆは夏場と冬場では中身が異なる。夏場は一番出汁に薄口醤油を合わせ、葛でとろみをつけたのを真っ白な粥にかけて食べる「くずがゆ」。これに対して冬場は鶉の身を細かく刻んだものと菜っ葉を混ぜた「うずらがゆ」だ。この粥が実にお腹にやさしい。なんともいえない感じで、やさしく胃を癒してくれているようだ。食べ終わったあとの

ふぅ…

と吐く息まで温かい感じがする。
着物のご婦人たちももういない。別館は僕と清澄氏の二人だけの貸切状態になっている。庭の池を眺めると鯉がゆっくりと泳いでいて、日差しがやわらかに差し込んでくる。ここだけは外と比べて時間の進みが遅いようだ。
こりゃあ、先程の言葉は撤回しなきゃあならないな。値段のことをいうのは野暮の極みというものだが、これだけ至れり尽くせりの環境で小一時間かけて、のんびりと気持ちよく「朝がゆ」を味わえたことを考えれば、決して高いものではない。
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↑南禅寺門前「瓢亭」別館の外観
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↑別館といえど、なかなかの風格を感じさせる
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↑朝がゆのうち「八寸と瓢箪型三重」
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↑冬の名物「うずらがゆ」

冬の京都・旅日記第三日目

第三日目・三月二日(金)晴、日中暖かし
河原町三条宿・一日バス券 500円
南禅寺門前瓢亭・朝がゆ 4100円清
同無隣庵拝観 350円
おうす 300円
河原町三条宿・延泊代 5000円
河原町三条-大原・バス代 490円
大原三千院拝観 700円
角大師札二枚 200円
大黒・不動札 100円
みくじ 100円
秘仏御姿 500円
阿弥陀御姿 100円
不動御姿 100円
さいせん 20円
大原三千院門前漬物屋・アイスきゅうり 150円
大原-京阪三条・バス代 490円
三条自販機・タバコ 300円
六角堂さいせん 10円
六角通shop99・ジュース アイス 208円
京都駅復路新幹線切符代 11920円
河原町三条酒ヤ・ビール 268円
菓子 102円
三条通居酒ヤ・こがんこ 酒飯代 3000円

冬の京都・旅日記第二日目

第二日目・三月一日(木)晴、日中暖かし
河原町三条酒屋・ラムネ 53円
グミ 89円
ジュース 108円
寺町広小路廬山寺拝観 300円
角大師札 500円
みくじ 100円
さいせん 10円
聖護院山王町熊の社・さいせん 10円
牛玉宝印二枚 1000円
祗園社石段下ぶヽ家・うなぎ茶漬け 2100円
一乗寺曼殊院拝観 500円清持
みくじ 100円
さいせん 5円
修学院豆腐屋藤利・卯の花 120円
修学院-出町柳叡山電車・電車代 200円
三条木屋町自販機・タバコ 300円
六角寺町コンビニ・ジュース 105円
ミニカップ麺 92円
三条河原町酒屋 菓子二個 233円
団栗辻おでん屋蛸長・おでん 酒一本 3000円
新京極薬局・菓子二個 200円
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それでは「春夏冬、二升五合」をお願いまして、皆々様の御手を拝借。

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熊さん。今のお人で何人目だい?
著者寸描(プロフィル)

浮世名詮〔うきよのめうせん〕

Author:浮世名詮〔うきよのめうせん〕
東西東西~。
さて、これより語りまする者はその名を「名詮」と申しまする。

性格は可成ふざけて居りまして、朝イチから行動すればよいものを、昼も過ぎ、夕闇の濃くなる頃から東都のあちらこちらへ出没し、状況に応じて色々な人物を演じ分ける素ッ惚けた根無し草。

まあ、気楽に気楽にお付き合い下りまするよう、隅から隅まで、ズズいっとお頼み申し上げまする。

先づは

乍憚口上
乍憚口上」つづき
乍憚口上」むすび

を一読下さりまするようお願い申し上げまする。

千穐萬歳大入叶

熊八ブログをケータイしておくれっ
ちょいと、そこのお前さん。無視していくんじゃないよ。めうせんの「熊八ブログ」がケータイでも見ることが出来るっていうじゃあないか。おや、知らない?まあ、この人はなんて野暮なことをいいなさんのかねえ。
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