人形町「和風DINING酒膳 久助」

所用があって、午後から久し振りに都心にいた。
明治座に程近い浜町のとあるビルから大川をながめると、冬の雨が冷たく寂しく降りそぼっていた。梅は咲いたが、桜はまだ遠い。そして、会議も天気同様に退屈であった。というか楽しい会議というものがあるのかはしらない。
夕刻、会議を終えるとオヤジ連のこと、当然のごとく

少しからだを温めてから帰ろうか

ということになる。
会議は大事。だが同等かそれ以上に反省会は大事である。とはオヤジ連の弁明…では、ない。まったくもってそのとおりである。況してや場所は浜町。明治座のお膝元である。おごそかに酒飯をしつつ今日の反省をすることは、大人として当然の営みである。それでなくては浜町が浜町である意義を持たない…はい、言い訳です。ただ単にみなさん飲みたいだけです。

さて、呑兵衛にとって浜町は穴場で、飲み屋に事欠かない。水天宮や人形町もすぐそこである。また冒頭にも述べたように、明治座もあって、なかなかに味にうるさい連中が街中の食べ物屋や飲み屋を鍛えていると言っても過言ではない。
たとえば明治座のすぐ近くには劇場関係者も通う蕎麦屋の「やぶ」があり、人形町の駅前には老舗軍鶏鍋屋の「玉ひで」がある。ここは昼の親子丼が人気で長蛇なのは知るところであろう。また甘酒横丁の酒屋もうるさ方好みの酒を揃えてあったりする。
その甘酒横丁から入ったところに

和風DINING酒膳 久助

という仕舞た屋風の飲み屋がある。昭和の時代に取り残されたような古民家だが、一足、なかに踏み込むとその造りに、

ほう

と珍しいやら懐かしいやら、どこかで見たような光景に声をあげてしまう。が、一見して、

ただの古民家ではない

ことは、玄関の造りにしても、二階の造りにしても、階段にしても、脇の小間にしても容易にうかがえる。
二階に上がり、着座して注文ついでに店員に話をうかがうと

もとは芸者の住んでいた家

であるという。それを聞いて案の定といった感じだ。人形町という場所柄からすると、

芳町芸者

だろう。人形町の一本裏手の通りを俗称芳町といい、いまでも芸者がわづかに残っている(もっとも芳町芸者以前のこのあたりは…話が長くなるからやめておこう)。その芸者が廃業したかして残された家が、くだんの飲み屋であった。だから、家の造りや雰囲気がどことなく一般の住居と違う。どこがと聞かれて明確な説明はできない。あくまで感覚でだ。
そんな由来のある古民家を改装した久助は、どの肴でもよいが、冬はなんといっても土鍋にぐつぐついって出される「おでん」が身体を温めてくれる。また伯耆大山で有名な鳥取の大山地鶏を使った「やきとり」がどれも美味い。このやきとりは甘酒横丁に面した本店の久助で焼いたものを運んできてくれるそうだ。粉山椒をたっぷりふりかけて熱々のところをいただき、酒を飲む。そこへもってちょっと艶っぽい姐さんが、軽く着崩してしっぽりと寂しく小唄のひとつでも歌ってくれようものなら、酒も肴も抜群に美味いものなんだろうが、生憎今回は野郎ばかり8人が雁首そろえている…なんとも野暮な話だ。
ningyocho-9suk ningyocho-9suk1
↑人形町甘酒横丁入る「和風DINING酒膳 久助」の外観と料理の品々
スポンサーサイト
地味にFC2BlogRankingへ参加
それでは「春夏冬、二升五合」をお願いまして、皆々様の御手を拝借。

FC2ブログランキング

熊さん。今のお人で何人目だい?
著者寸描(プロフィル)

浮世名詮〔うきよのめうせん〕

Author:浮世名詮〔うきよのめうせん〕
東西東西~。
さて、これより語りまする者はその名を「名詮」と申しまする。

性格は可成ふざけて居りまして、朝イチから行動すればよいものを、昼も過ぎ、夕闇の濃くなる頃から東都のあちらこちらへ出没し、状況に応じて色々な人物を演じ分ける素ッ惚けた根無し草。

まあ、気楽に気楽にお付き合い下りまするよう、隅から隅まで、ズズいっとお頼み申し上げまする。

先づは

乍憚口上
乍憚口上」つづき
乍憚口上」むすび

を一読下さりまするようお願い申し上げまする。

千穐萬歳大入叶

熊八ブログをケータイしておくれっ
ちょいと、そこのお前さん。無視していくんじゃないよ。めうせんの「熊八ブログ」がケータイでも見ることが出来るっていうじゃあないか。おや、知らない?まあ、この人はなんて野暮なことをいいなさんのかねえ。
QR
最近の戯れ書き
項目別四方山話
最近のご意見・ご感想
一筆啓上、火廼要鎮(メールフォーム)
「文は遣りたし、書く手は持たず」なんて謙遜、遠慮なぞは無用ってもんでございやす。へい。

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

月別四方山話
ブログ内検索
RSSフィード
リンク