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大胆と繊細・その5つづき(オランダの休日 4-5-2)

なんとか列車に乗り、ひと安心した名詮さん。ゆらりゆられていると、次の駅に着いた。名前はしらない。けど、見覚えがある。ライデンからアムステルダムに向かうときにも着車した駅だ。こうなると人間は安心するもので、名詮さんも御多分にもれず、安心する。

このまま、乗っていればライデンに着く

そう気軽に考えられるようになって、のんびりと車窓からの風景を楽しみはじめる。オランダは実に平野の国だ。どこまでも平地がひろがり、牛さんたちが放し飼いになっている。のんびりと牧草を食む牛さんたちをながめている。オランダは運河の国である。いたるところに運河が開かれ、船やボートが行き交っている。こうした風景は、やがて駅に近づくと家が連なる町の風景へと変化していく。しかし、20分も列車にゆられていたころだろうか、なんか

違和感

を感じはじめる。駅に近づくたびにあらわれる町並みが何か違う気がする。駅の間隔も思ってたほどに近く、町並みが連続しているような感じも受ける。さらに駅数も多いような気もする。

なんか嫌な予感

が胸を過ぎる。乗車して30分をすぎたころ、背後の液晶ボードで行き先を確認すると、ライデン(Leiden CS)の文字がなかなか出てこない。段々と不安になってくる。そんななかで着いた駅の景色を車窓からみると割合に大きな駅だ。看板をみると、

Alkmaar

と書かれている。

絶対、違う。こんな駅、行きにみた記憶がない。

とあわてて、ナップサックから「地球の歩き方」を取り出して、路線図をみる。Den Helder・・・Alkmaar・・・

しまった!反対方向の列車に乗っている!

アムステルダムからライデンに行くには南下しなくちゃならないのに、北上してしまった。で、あわてたが、もう遅い。ドアが閉まった。仕方なく、次の駅で降りる。

Alkmaar Noord

ひと駅前のアルクマールとは違い、いかにも郊外みたような、駅前になにもないところだ。名詮さんがあわてて下りたのは、もちろん、行き先を間違えたからだ。しかし、それだけではない。オランダの鉄道は買った切符の区間外に行って、検札にあった場合、高額の罰金が課されるからだ。
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浮世名詮〔うきよのめうせん〕

Author:浮世名詮〔うきよのめうせん〕
東西東西~。
さて、これより語りまする者はその名を「名詮」と申しまする。

性格は可成ふざけて居りまして、朝イチから行動すればよいものを、昼も過ぎ、夕闇の濃くなる頃から東都のあちらこちらへ出没し、状況に応じて色々な人物を演じ分ける素ッ惚けた根無し草。

まあ、気楽に気楽にお付き合い下りまするよう、隅から隅まで、ズズいっとお頼み申し上げまする。

先づは

乍憚口上
乍憚口上」つづき
乍憚口上」むすび

を一読下さりまするようお願い申し上げまする。

千穐萬歳大入叶

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ちょいと、そこのお前さん。無視していくんじゃないよ。めうせんの「熊八ブログ」がケータイでも見ることが出来るっていうじゃあないか。おや、知らない?まあ、この人はなんて野暮なことをいいなさんのかねえ。
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